プロボーカル用レコーディングマイクのお話。
皆さんこんにちは!
『広島でボイトレするなら、本格レコーディングレッスンの Vocal Gym 3UP!』
のボーカルビルダー三上です。
3月に入り、だいぶ暖かくなってきましたね!
私は何とか風邪もインフルも患うことなく冬をクリアしましたが…今度は花粉がツラいです。
既に目が痒くてどうにもならなかったので、ドラッグストアで“眼科用薬”と書かれた花粉の痒みに効く2000円もする目薬買いました。。。
高いだけあって良く効いてます(笑)
さて、今日はマイクのお話。
皆さんは、
「プロのボーカリストはどんなマイクでレコーディングしているんだろう?」
と思ったことはないですか?
また、宅録をする人などは、
「自分で録音したものとプロのCDとでは何故こうも音質が違うんだろう?」
と思ったことはないですか?
その疑問にシンプルにお答えしますと、
「(マイクだけに限らず全ての機材が)値段も質も全く違う物を使っているから違って当たり前です。」
になります。
では、実際どんなマイクを使っているのかをいくつかご紹介します!
以前、かの有名な東京のソニースタジオ内に行き、そこで唄ったことがあるんですが、そこのエンジニアさんにお聞きした話なので、私が勝手に想像してのご紹介ではないですよ(^.^)
その前に。
まず当校のレコーディングレッスンというボイストレーニングで使っているマイクがこちら。
こちら、30万近くします。
「高っ!」
と思うかも知れませんが、これは自慢で取り上げたわけではなく、まずこれを最低基準値として以降を見てもらいたいという意味でご紹介しました。(読み進めていけば分かります。。。)
このマイクは言わずと知れた、商用スタジオには必ず置いてあると言っていいほど定番のマイクです。
理由は、『オールマイティーな優等生』だから。
何を録ってもセッティングさえ上手くやれば70点~80点取れる、弱点のない万能マイクです。
しかし、これを『ボーカル録り』に限っての使用を考えた場合、これで100点のプロ音質になるかと言われたら、答えはノーです。
やはり、70点~80点の音です。
そりゃ数万円くらいのマイクと比べたら全く別物クラスですので、当校のようにボイトレのレッスンにこれを常時使っているという意味ではなかなか貴重なことだとは思います。
ですが、販売物として作品を残すためにガチのボーカルレコーディングをするなら、このマイクを使用することはプロのレコーディングエンジニアさんはほとんどしません。
使うならガヤを録る時くらいです。(ガヤ=大勢で同じメロを一斉に唄うこと)
それでは、プロが使うマイクはどんな物か―。
『ボーカルはチューブマイクで録る』
が、商用スタジオでの一つの定石です。
チューブとは、真空管のことです。
空気の振動を電気的に増幅させるマイクの電子回路に真空管を使用したものを『チューブマイク』と言います。(詳しく書くと異常な長さになるので簡単に説明 笑)
この真空管を回路に組み込むと、マイクとして値段が一気に跳ね上がるので、一般の人にはなかなか手の出ない代物になります。
安い真空管を用いた機材もありますが、まぁ…おススメはしません。。。
また、そういう高級な真空管マイクを使用する場合、それ以降のマイクプリ(微弱なマイクの電気信号を増幅させるアンプ)や、I/O(オーディオインターフェイス)等もそれなりの物でないと、真空管の良さを引っ張り出せません。
ただ、音は強く太く、なのに高音域のザラつきはなくシルキーで、人の声を録るにはとても相性の良いマイクなのです。
ではいよいよ、何種類かそのチューブマイクをご紹介します。
まずは、我らが日本製。
SONYのチューブマイクです。
お値段は、専用電源と併せて70万超えます。
基本、チューブマイクはマイク単体では使えません。
専用の電源が必要です。
マイク50万+専用電源20万って感じです。
早速、さっきご紹介した当校のU87Aiの価格が霞んできますよね(笑)
EXILE系のグループは結構これを使用していることが多いらしいです。
あのしっかり持ち上がっているのにジャリジャリと粗くならないハイ(高音域)の滑らかな音質は、このマイクに起因する部分が大きいのではないでしょうか。
次は、やはりノイマン。
マイク界の王様ブランドです。
この67は、ノイマンのマイクの中でも伝説クラスの超ビンテージマイクです。
1960年代に最も使われていたようですが、今では数少ない当時の現物の中で、値段を付けられないくらい状態のいい“ビンテージ中のビンテージ”の67を二本も所有しているのが、あのYOSHIKIさんだとか。。。
まぁ…そういう人しか個人所有は出来ないでしょうね(苦笑)
しかし!
一般人には手が出せないその伝説の67が、今年1月(ちょっと前のホットな話です!)、当時の設計図通りに現代のパーツを用いて復刻発売することをノイマンが発表しました!
まだ発売日も価格も未定の段階ですが、噂ではこの春には発売開始し、価格は70万~75万くらいだろうとのこと。
何を隠そう、この記事を書こうと思ったのも、このボーカリスト垂涎のアツいニュースを見てから買おうか買うまいか現在ずっと悩んでいるからなのです…(^-^;
う~ん…欲しい。。。(笑)
次はこちら。
ドイツの新鋭マイクメーカーの最高峰マイクです。
創業してまだ25年くらいの歴史の浅いメーカーですが、プロオーディオ界では“ノイマンをも凌ぐ音質”と言われているほど評価の高いブランドです。
この画像は、VM1とVMXというタイプの違う製品の両方が使える可変式の物で、なんと値段は100万超え!
…車買えますね(笑)
ソニースタジオや大きな商用スタジオではVM1というスーパーナチュラル&スーパークリーンな音質の製品を置いていることが多いようですが、それも挙げた他のマイクと同じく70万くらいです。
つまり、プロクオリティーのボーカルレコーディングをするなら、マイクだけで70万円は必要だということが何となくお分かり頂けたかと思います。
当校のマイクが何の自慢にもならない―
と言った意味はこういうことです(;^ω^)
その他、
TELEFUNKEN(テレフンケン)
MANLEY(マンレイ)
等のメーカーの真空管マイクが、プロボーカリストが使うマイクです。
う~ん、どれを買おうか。。。(既に買う気になっている 笑)
いや、個人的物欲は3割くらいで、教室事業としていずれは必要になるだろうと見越してのことですから(^-^;
あ、言い忘れましたが、いくら機材が一級品でもボーカリスト自身が低水準ですとあまり恩恵はありません。
いい歌を聴かせる、残すには、何より自分の歌を一級品に鍛え上げるのが最も重要なことです。
一級品の機材は高額なお金がかかるので誰でも所有出来る物ではないですが、
「その恩恵に肖れるくらい歌が上手くなりたい!」
と、誰よりもアツく練習をする『一級品の向上心』を持つことは、プライスレスで誰でも所有出来るものです!
日々の練習で身に付けるスキルは、高級機材よりもずっと価値のあるものです!
ではまた~!