ウチがスカイプレッスンの需要にお応えしない理由

皆さんこんにちは!
『広島でボイトレするなら、本格レコーディングレッスンの Vocal Gym 3UP!』
のボーカルビルダー三上です。

ホームページを立ち上げて5ヶ月、ようやく検索エンジンの上位に掲載されるようになり、おかげ様で体験レッスンのお申込みもどんどん増えてきています。
しかも、私の音楽へのアツい想いに呼応するように、上手い下手関係なく私に負けない情熱を持った生徒さんが増えてきており、私も俄然燃えています!

そんな中、時々こんなメールや電話が来ます。

「YouTubeから辿ってホームページを見たんですけど、私は〇〇(中国地方県外)に住んでまして、そちらに通いたくても通えない距離なので…スカイプとかでレッスンをしてもらえないですか?」

いや、ホント光栄です。(そこそこな頻度で連絡が来ます)
探せば近くにボイストレーニング教室はあるのに、そこではなく何とかして私のボイトレレッスンを受けたいと思って下さっているのを目の当たりにすると、何とかしてあげたい気持ちになります。

しかし…

 

全て断っています。

 

スカイプは便利なツールです。
世の中の遠距離恋愛中のカップルなんかはとても重宝しているでしょう(笑)
その便利さから、今までは直接面と向かわなければ出来なかったことを遠隔的に行いたいという活用法は、確かに誰しもが考えることです。
ボイストレーニングへの活用の需要があっても何ら不思議はありません。

しかし、それを実際に活用してレッスンをしているスクールがある(トレーナーがいる)ことには、私は疑問しかありません。

色々疑問はありますが、一番の疑問を声を大にして言いますと、

「そんな電話よりも悪い音声品質を介した声を聴いて…何がわかるの?」

と言いたい。

電話回線だろうがネット回線だろうが、声を通信している時点で生声の成分の半分くらいしか鳴らせていない。
専門的だが、人の声は中音域(概ね500Hz~2KHzあたり)に周波数が集中していて、人の耳はその周波数帯の音を最も聴き分けて音高(音程)を判断している。
しかし、人の声は50Hz~15KHz(個人差は当然あるが)くらいの範囲で幅広く鳴って音声を形成している。
つまり、電話やネット通話音声は、比較的聴き取りやすい限定的な音域だけに絞って鳴らしているわけだ。

電話やネット通話は、ほとんど基音域を拾っておらず、大体が低倍音域の成分のみ。
だが、人は基音と2倍音・3倍音・4倍音・・・(続く)の量や配分によって繊細な声のニュアンスを表現している。
話し声でさえそうなのだから、歌声となるとそれがさらに顕著になるのは想像が付くだろう。

 

話を戻そう。

そういう環境下で人の声を聴いて、何を判断して何を指導しているのだろう?
「今のフレーズ音程がちょっと良くないね」
とかだろうか?
そんなの音痴の人じゃなければ自分でわかる。

私はそんな環境じゃ無理だ。
人の声のコンディションや表現を把握する情報量が圧倒的に少なすぎて、正しい指導や見極めが出来ない。

声量が付いたり発声が良くなってくると、基音域+2倍音域くらいの厚みが増えてパワフルな声になってくる。
また、2、3日前に叫びすぎて声を嗄らしたりして、本人は完全に声が戻ったと思っていても、聴いてみたら10KHz近辺より上のチリチリとした成分が多く混じっていて、明らかにコンディションが悪いのもすぐわかる。
生徒さんの声がいつもよりほんのちょっとだけ痩せて聴こえたりすると、
「仕事忙しいの?最近あんまり唄えてないんでしょ?」
と言い当てられるのを経験している生徒さんも少なくない。
(これを見てる生徒さんは頷いている人もいるだろう)

これらは全て、その人の声の全成分から判断し、その周波数帯の特徴を聴き分けられるようになっているボイストレーナーだからこそ出来ること。

スカイプでそれが出来るか?
絶対無理だ。
世の中には生声を聴いてもそういうのが分からないボイストレーナーの方が圧倒的に多いというのに、通信を介した声でそれを聴き分けられる訳がない。

そんな適当で不完全なレッスンなんてしたくない。
私が出来ることの100%をレッスンに注入出来ない環境で、その場しのぎのレッスンをして月謝をもらうのは、私のポリシーが許さない。
そんな儲けなんて職人(スペシャリスト)がもらうべきものではない。
上手くならないと思っているボイトレを施すトレーナーに成り下がるくらいなら、この職業を捨てた方がマシだ。

 

言い方を変えよう。

スカイプでレッスンをしているボイトレ講師は、私には優秀な講師だとは思えない。

違う視点から考察してそれを証明する。
スカイプでボイストレーニングをする(してしまう)理由は何なのかを考える。

・あまり有効的ではないとわかっていながらも、生徒さんが望んで少しでも効果があるならそれを叶えてあげたい(一応善意思考)

・有効的ではないとわかってるけど、生徒さんがそれでいいって言ってるんだから別にいいんじゃない?お金も儲けられるし。(生徒さんの成長を第一に考えない打算的思考)

・ウチの教室は生徒さんが少なく、今の儲けじゃ生活できない!背に腹は代えられない!あんまり有効的ではないけど、スカイプでのレッスンを展開して生徒数増やさなきゃ!(生活の為の決断)

・金になるなら何でもやるに決まってんじゃん。(金の亡者)

・そもそもスカイプでレッスンすることにメリットがほとんどないことを知らない為、上記の解説を見て“へぇ~そんなこと知らなかった…”とか思ってるトレーナーがするレッスン形態(ただの勉強不足・知識不足な未熟者)

 

こんなところだろうか。

 

どうだろう?
あなたがボイトレに行きたいと思った時、スカイプレッスンを実施している教室ならばこのどれかに該当する理由がある教室だと思われる。
どの理由・目的だとしても、どれも生徒さんの成長を第一に考え、自分にも生徒さんにも嘘を付かず全力でレッスンしている教室には見えないのではないだろうか…?

私が生徒さんの立場なら、もう胡散臭さしか感じない。
行く気がしない。

私は上記のどの目的にも属さないし、今後属したくもないのだ。

 

これが当校(私)がスカイプレッスンをしない理由である。

 

あと…

画面の向こうの生徒さんの居る場所が、全力で声を出せる環境にあるかどうかもかなり重要ですしね(^-^;

 

全国のスカイプレッスンを希望していた方、スミマセン…(>_<)
無駄なお金を使ってもらいたくないんで、今後も全てお断り致します(*_*;
いつか皆様とも“直接お会いして”レッスン出来たらいいなと思っています!

 

ではまた~!

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